2011年4月8日金曜日

大災害でご両親を亡くした子どもが保険金を請求するには?

今回、マネーセラピストとして活動されているファイナンシャルプランナー(CFP 以下FP) 安田まゆみさんから、「大災害でご両親を亡くした子どもによる保険金請求がとても困難」であるという話を聞き、記事にします。
安田さんは今回の震災でも行動を起こされていて
「被災者は心が癒えてないでしょうが、『保険は残された家族のための愛情』です。保険金請求を忘れないでほしい。また、保険会社も、被災地の契約者の安否確認や法定相続人を探す努力をして欲しい!」
と訴えています。
ご注意:政府、保険会社の対応など日々変化しておりますので、最新の情報でご判断ください。また、会社によって対応が違う可能性もありますので、各保険会社にご確認ください。
 安田まゆみの気まぐれ日記:http://my-fp.livedoor.biz/

今回の東日本大地震で両親を亡くしてしまい子供だけになった場合、どうすればいいのでしょうか?

■保険の大原則:生命保険は「請求しないと保険金は払わない」
親を失った子どもたちの保険金の請求に大きく立ちはだかる壁。
それが、年金同様の申請主義「請求しないと支払われない」という原則です。

評価できる保険会社のすばやい対応
まずは、今回の大災害に対する生命保険会社の対応を確認します。
1.通常の免責事由をやめて、地震や津波によって亡くなった人がたくさん出たにもかかわらず、死亡保険金を満額払うと決めたこと。
2.通常、契約の決まりでは、保険料が払えないと2ヶ月で契約失効(契約がなくなってしまう)するところを6ヶ月に延長したこと。
3.生命保険協会を通じて、家族が、どこの保険会社に契約をしたのかという保険契約の照会をはじめたこと。
それ以外に、受取人であれば、保険証券が手元になくても死亡保険金請求ができるようにしている保険会社が多いようです(各社に確認)。

■未成年者孤児は『未成年後見人の申請』をするためには、両親の『推定死亡の確認』が必要
生命保険協会の契約照会センターでは、どこの保険会社でも請求対応してくれます。
しかし、両親を亡くした未成年者孤児の場合は、親代わりとなる未成年後見人か又は正式に委任している弁護士がいないと請求することができません。
弁護士を頼めれば楽ですが、そうでない場合には、『未成年後見人の申請』をするために、まず、未成年者孤児自身で『推定死亡の確認』をして『未成年後見人の申請』をするという、2つの申請を実施しないといけないのです。
<両親を亡くした場合の保険金申請の流れ>
推定死亡の確認(行方不明の場合)・・・通常1年以上(3ヶ月になる可能性あり)

未成年後見人or弁護士の決定

生保契約照会センターで照会・・・3週間程度か?

生命保険金支払い・・・保険金受け取り時効3年だが、時効後も受け取り可能な対応を大手生保は表明(要確認)

『推定死亡の手続き』について
海難事故等での行方不明者の場合は、通常は1年経過後に推定死亡宣告(死亡とみなして法的処理)するという法律があり、今回は、特別立法で短縮されそうです(3ヶ月程度か)。
家族が行方不明で死亡が確認されない場合には、保険金請求には、死亡確認が必要です。
ここで注意ですが、保険料(掛け金)が払えない状態が6ヶ月(前述したが、通常は2ヶ月で、6ヶ月は特例措置)続くと、保険自体は失効はします。しかし、今回の場合、猶予期間内での死亡確認が取れれば、保険金は払われます。
ただし、保険金請求の時効は3年なので、少なくとも3年以内に請求をしないといけません。

■『推定死亡の手続き』の必要書類を揃えるために時間がかかる可能性も
『推定死亡の確認』の手続きには以下のような書類が必要です。
市役所、役場が被災したところなどは、入手に苦労し時間もかかる可能性があります。
<申請に必要な書類>
・子どもの戸籍謄本、住民票
・後見人になる人(候補者)の戸籍
・亡くなった両親のそれぞれの除籍謄本や改製原戸籍

『未成年後見人の申請』について
未成年後見人の申請は、“子どもの住所地を管轄する家庭裁判所に両親をなくした子どもが未成年後見を申請する。”となっています。
未成年者孤児に限らず、被災地(住所地)近くに留まっていない可能性もあり、“住所地を管轄する”、“住所地に送付する”というルールは、被災した住所地に行かないと手続きがでないのです。
『推定死亡の確認』の手続きや他の申請や支給関係でもここは全体の課題としてあがると思います。

■両親を亡くした未成年者だけでは困難 保険会社はより積極的なサポートを
最初に、生命保険は申請主義で「請求しないと支払われない」と記述しました。
ここまでの作業を、“未成年者孤児の保険金請求は非常に困難”であることはご理解いただけたかと思います。
しかし、身内や周囲の人が生命保険に関して何の行動もしなかった場合、請求されるまで生命保険金は支払われません。

『保険は残された家族のための愛情』です
安田さんは、支援団体を通じて、被災者の自治体や学校で保険金請求の大事さを話す機会を得られるように働きかけているとのことです。
「今こそ、ファイナンシャルプランナーやマネーセラピストの出番です。申請主義の保険などで、知らなくて損をしてしまう人をだしたくない!保険は亡くなった方が残された家族のための愛情なのです。
災害支援団体の方は是非、ご協力ください。お声かけていただければ、無料相談会や説明会に馳せ参じます。」
この記事を読まれた大人の方は、周囲に似たような環境の方がいらっしゃれば、役所の方やFP、法律関係の専門家のフリーダイヤルなどで確認しながら、請求を行ってください。
また、保険会社は、さらなる保険金請求のサポート協力をお願いします。

ファイナンシャルプランナーの活用を
FPは、国家技能士資格もでき、今では人気の資格となっていますが、どういう知識と経験を持ち、何をを頼ればいいのか、世間ではあまり知られていません。
ここで簡単に触れておきます。

<国内の資格制度として2つ存在>
国家検定:1級、2級、3級ファイナンシャル・プランニング技能士
民間資格:CFP(1級相当 国際ライセンス)、AFP(2級相当 国家検定2級の合格が必要)
CFP≧国家検定1級 で大体OKかと(実質、ほとんど差はないです)。

<試験科目 6科目(CFPの場合)>
金融資産運用設計/不動産運用設計/ライフプランニング・リタイアメントプランニング/リスクと保険/タックスプランニング/相続・事業承継設計

実は、記者自身は、今回の震災で都内で少し物損が合ったのです。
地震保険に私の知人のFP経由で入ったので、FPから電話があり「地震保険申請してくださいね。」と丁寧に連絡をいただけ、保険会社から連絡がありました。
「知らないと損をする。」のがお金に関する業界の特徴・常識とも言えます。
今後よりFPの理解が進み、一般の方がFPを活用していただける環境になることを期待します。


法務省所管 日本司法支援センター(愛称:法テラス):0120-366-556
生命保険協会:http://www.seiho.or.jp/data/news/h23/20110401.html 0120―001731
成年後見人の手続:http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_06_12.html

うどよしさんプロフィール:書道家。自身がCFP、ファイナンシャル・プランニング技能士1級有資格者。現在、『がんばろ う日本。』プロジェクト進行中。既存の書を苦手な初心者や外国人にペン字のような“とめはね等を少なくして書く書道”を提唱。東京上野でう どよし大衆書道教室主宰、千代田区生涯学習館 書道講師。